どうも、音楽ブロガーのコバヤシ(@kobalog_net)です。
アンビエントミュージックって、リラックスしたい時や集中したい時にふと聴きたくなりますよね。
通常アンビエントミュージックというとエレクトロニカっぽいものやピアノがメインのイメージがありますが、本記事ではエレキギターやアコースティックギターに特化したアンビエント作品を10枚紹介していきます。
ということでアンビエントミュージック自体マニアックな音楽ですが、本記事は超がつくほどマニアックな内容となってます(笑)
ギターアンビエントに興味がある方は、ぜひ最後まで記事を御覧ください。
タップできる目次
- アンビエントミュージックってなに?
- ギターアンビエントのおすすめ名盤10選
- Ambient 1:Music For Airports / ブライアン・イーノ
- WOO’D EARLY / FREE DUST
- Different Trains | Electric Counterpoint / スティーヴ・ライヒ
- 2020 GW / Naka Tomizawa
- Get Lost / Mark McGuire
- Uma Elmo / Jakob Bro
- Unfinished. For William Turner, Painter. / Burkhard Stangl
- Forever / yutaka hirasaka
- NEW DAY / Marron IEGUTI Ambient duo
- “SAKURA”ーThe Timbre of Guitars #1 Susumu Yokota / AYANE SHINO
- ギターアンビエントのおすすめ名盤10選のまとめ
アンビエントミュージックってなに?
アンビエントミュージックとは、「環境音楽」とも呼ばれ従来の音楽構成やリズムといった要素よりもサウンドや雰囲気などを重視した音楽を指します。
もともとはフランスの現代音楽家エリック・サティが考案した「環境音楽」を、元ロキシー・ミュージックのブライアン・イーノがアンビエントミュージックという形で提唱し広まっていきました。
イーノ曰く、アンビエントミュージックは「聴くこともできるが、無視することもできる」音楽である、と定義しています。
言葉で表そうとするとちょっと難しい音楽ジャンルですが、”周りの環境に溶け込んだ雰囲気のある音楽”というようなイメージが近いのかなーと私は勝手に解釈しています。
テンポの早い曲はほとんどなく、シンプルで静かなメロディのループやエフェクターを多用し神秘的な雰囲気を持つ楽曲が多いのもアンビエントミュージックの大きな特徴でしょう。
アンビエントミュージックについてもっと詳しく知りたい方は、以下のような本(ディスクガイド)も発売されているのでぜひチェックしてみてください。
ギターアンビエントのおすすめ名盤10選
ここからは、アンビエントミュージックの中でもギターに特化した名盤とアーティスト(ギタリスト)を10枚紹介していきます。
海外のギターアンビエント作品だけでなく、日本のギターアンビエントのおすすめアルバムもピックアップしました。
比較的聴きやすいアルバムをチョイスしていますので、ギターアンビエントに興味がある方はまずこの10枚から聞いてみてくださいね。
それではさっそくいってみましょう。
Ambient 1:Music For Airports / ブライアン・イーノ
最初に紹介するのは、アンビエント・ミュージックを開拓した第一人者ブライアン・イーノです。
まさにアンビエントの父とも呼べる人。
この人がいなければアンビエントミュージックという音楽ジャンルは存在しなかったでしょう。
ロックバンド「ロキシーミュージック」の元メンバーとして活躍し、現在はソロ活動を中心に様々な有名アーティストとのコラボも手掛けています。
「Ambient 1:Music For Airports」は、アンビエントという名前がはじめてつけられた歴史的作品。
タイトルのとおり『空港のための音楽』となっており、実際にニューヨークの空港でもかけられたことのある作品だそうです。
BGMにもよし、じっくりとサウンドに浸るもよし、色々な聴き方ができる1枚かなと思います。
正直、ギター感はほとんどないアルバムなのですが、やはりアンビエントを語るうえでイーノは外せないだろうと思いましたので紹介させていただきました(笑)
アンビエント入門者にオススメの一作。
WOO’D EARLY / FREE DUST
ギターアンビエントの理想形とも呼ばれ高い人気を誇るFREE DUSTの2021年の作品。
本作はギタリスト、MATTHEW SAGE (AKA M. SAGE)による初のプロジェクトアルバムで、アルバムのどこを切り取っても非常に美しい音像が特徴的です。
1曲目「Early Gray」の浮遊感のあるサウンドや、8分間に及ぶ大曲「Miss’d」など、聴き応えも十分。
これぞギターアンビエントって感じのアルバムなんだよな。
映画を1本観たあとのような、言葉では言い表せない満足感が味わえる1枚だと思います。
Different Trains | Electric Counterpoint / スティーヴ・ライヒ
アメリカを代表するミニマル・ミュージックの巨匠、スティーブ・ライヒの代表作。
本作ではジャズギタリストのパット・メセニーがギターで参加しており、没入感のあるミニマルギターを聴かせてくれています。
前半のDifferent Trainsはクロノスカルテットによる演奏を録音したもので、後半のElectric Counterpointはパット・メセニーによる多重録音作品。
エレキギターによるミニマル・ミュージックの傑作とも言える1枚だと思います。
ちなみに本作でスティーブ・ライヒはグラミー賞も受賞しており、名実ともにミニマルミュージック界を代表するアーティストとなりました。
2020 GW / Naka Tomizawa
「2020 GW」は、エレクトロ・エキゾ・ダブの帝王、富沢仲による全編インストのギターアンビエント作。
アコースティックギターやエレキギターの美しいサウンドを中心に、環境音やエレクトロニカの要素を加えた静のアルバムとなっています。
とくにエレキギターの音色が美しい「空港」や、アコギの爪弾きとエレクトロサウンドが融合した「夜の空気」はギタリストなら必聴。
自然音にギターサウンドが違和感なく溶け込んでいて、聴くだけでめちゃめちゃ安らげます。
キャンプとかで流したら最高だろうな〜。
個人的には、アルバムのジャケット写真もめちゃくちゃ好き。(どこの写真かわからないけど…)
聴くと日本の心象風景が蘇ってくる感覚におちいる不思議なアルバムです。
Get Lost / Mark McGuire
アメリカのインディーロックバンド、エメラルズ(2013年に解散)のギタリスト=マーク・マクガイアーの傑作アルバム。
本作は、アンビエント、ミニマル・ミュージック、シューゲイザー、エレクトロなど、多種多様なサウンドを楽しめる1枚です。
クリーンなサウンドだけでなく、歪のあるギターサウンドもうまくつかっており、レイヤーの異なる音を幾重にも重ねて、独特の世界観を生み出すことに成功しています。
アンビエントギターというと、落ち着いていて神秘的な静のイメージがありますが、本作で聞けるアンビエントギターはまさに動のギター。モグワイ等のポストロックに通じるものを感じますね。
タイトル曲「Get Lost」は、ミニマル・アンビエントを代表するような1曲。
野外フェスで聴いたら絶対気持ちいいだろうなー。
Uma Elmo / Jakob Bro
ヤコブ・ブロは1978年生まれデンマーク出身のジャズギタリストです。
様々なエフェクターを駆使した幻想的でメランコリックなサウンドとフレージングが彼の持ち味。
実は私、数年前からヤコブ・ブロにゾッコンでして、全てのアルバムを買うぐらい好きなんですよね(笑)
どのアルバムも美しくて、静謐で、幻想的で、まるで魔法のような音楽なんです。
彼の音楽って、一応カテゴライズとしてはジャズ・ギターになるのですが、どちらかというとアンビエントやエレクトロニカの質感が強いと思います。
本作「Uma Elmo」はECMから発売された5枚目のアルバムで、幻想的で美しい極上のサウンドエスケープが堪能できる1枚。
ヤコブのギターの透明感も最高なのですが、アルヴェ・ヘンリクセンのトランペットがアルバム全体をグッと良いものにしている感じがしますね。
洗練された最新のアンビエントジャズをぜひご堪能ください。
Unfinished. For William Turner, Painter. / Burkhard Stangl
ブルクハルト・シュタングルはオランダ出身のインプロヴィゼーションギタリスト。
日本だとあまり知られていないギタリストの1人ですが、そのセンスと独創性は折り紙付き。
即興演奏とは思えないほど、メロディーやフレーズ、構成が洗練されていて、神秘的な空気感をまとったギタリストだと思います。
本作「Unfinished. For William Turner, painter」は、イギリスの実験音楽レーベル「タッチ」から発売され話題になったギター作品。
とくにオススメしたいのが、美麗なエレクトリックギターと環境音が融合した1曲目の「Unfinished – Mellow」
本曲はなんと33分にも及ぶギターアンビエントの大作となっており、ラスト5分の映画のような空気感がなんともたまりません。
夕暮れ時になんとなく聴きたくなる1枚。
Forever / yutaka hirasaka
yutaka hirasakaは1984年生まれ横浜出身のギタリスト/コンポーザーです。
現在は東京を拠点に国内外で様々なインストゥルメンタルアルバムをリリースするなど、精力的に活動しているようですね。
アンビエント的なループギターを軸に、Chill、HIP HOP、Jazz Beat、エレクトロニカを融合した心地よい音像が特徴的なギタリストです。
本作「Forever」は、Chillなビートとジャジーなギターが終始心地よい傑作アルバム。
1曲目「easy like」はリラックスしたギターサウンドや「monologue」で聴けるアンニュイなリフプレイ、そしてネオソウル的なギターアプローチが聴ける「impression」など、場所や時間帯を選ばずに聴ける1枚かなと思います。
最近では、カナダやフランス等のレーベルから作品をリリースしたり、海外のビートメーカーとのコラボ作品を発表したりなど、ますます注目が集まるギタリストのひとりでしょう。
NEW DAY / Marron IEGUTI Ambient duo
「NEW DAY」は、日本の音響派ギタリストMarronとPARAやEP-4など様々なバンドでシンセサイザー奏者として活躍するIEGUTIによるアンビエントアルバムです。
空間を活かしたエフェクトと浮遊感のあるサウンド、そしてボアダムスでも活動したYoshimiO氏のボイスが独特な世界観を創り上げています。
聞く人を選ぶアルバムだと思いますが、個人的には、このメインストリームにこびないアングラっぽい雰囲気がたまらなくカッコイイんですよね。
一歩踏み込んだギターアンビエント作品に興味がある方におすすめの1枚です。
“SAKURA”ーThe Timbre of Guitars #1 Susumu Yokota / AYANE SHINO
AYANE SHINOは東京藝術大学、音楽環境創造科を首席で卒業した経歴を持つ異色のクラシックギター奏者。
本作は、2015年に惜しくも他界したジャパニーズテクノのパイオニア=Susumu Yokotaの傑作アルバム「SAKURA」をクラシックギターでアレンジしたカバーアルバムです。
ヨコタ氏のテクノサウンドをクラシックギター1本で見事に表現しており、テクニックだけでなくアレンジ力やセンスの高さも垣間見えます。
とくに代表曲「Saku」の和風なメロディとクラシックギターの音色は相性抜群。
独特な雰囲気も相まって、和製ギターアンビエントとでも呼べる作品に仕上がっています。
クラシックギターの音色って美しいなーと、あらためて感じれる1枚です。
ギターアンビエントのおすすめ名盤10選のまとめ
本記事は「ギターアンビエントの名盤10選!アーティストごとの特徴からおすすめ曲まで紹介」について書きました。
いや〜、こんなにマニアックな記事を最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
これであなたも立派なアンビエントマニアですね。
アンビエントミュージックは環境音楽と言われるだけあって、一聴すると退屈な音楽に感じる方も多いかもしれません。
しかし、耳をすましてひとつひとつの楽曲をちゃんと聞いてみると、実はけっこうカッコイイフレーズを弾いていたり、音作りへのこだわりも見えてきてすごく面白いんですよね。
ちなみにこの記事もギターアンビエントを聴きながら書いたのですが、作業がほんとに捗ります。
作業のジャマをしない音楽なので、集中したい時にもアンビエントミュージックはかなりオススメかなーと思います。
というわけで、本記事をきっかけに1人でも多くの方がギターアンビエント沼につかってくれれば嬉しいです。
他にも色々な音楽ジャンルの名盤を紹介した記事も書いています。ぜひ休憩時間のお供に読んでみてください。
▷【アコギ弾き必見】ブルーグラスのおすすめ名盤12選!アーティストごとの名曲から代表曲まで紹介
▷洋楽オルタナティブロックのおすすめバンドと名盤アルバム15選【時代を変えたカリスマたち】
以上、コバヤシ(@kobalog_net)でした。